ワイン談義(6)<フランスを救ったワイン>5大シャトーとその魅力~特別なワインをクリスマスに~

クリスマス, 料理・飲物

はじまりは1855年のパリ万国博覧会において制定されたフランスのボルドー・メドック地区のワインの格付け。

世界中の人々が訪れる博覧会の目玉のひとつになると考えたナポレオン3世の命によりボルドー商工会議所が制定したランキング。

仲買人たちの評判を参考にしながら基本的には価格の高い順に格付けされた比較的軽いものでした。

第一回イギリスでの万博が大成功を収めておりましたので、対抗意識を燃やしたフランスが当時既に有名だったワインを分かり易く世界に宣伝したいと思っていたのが発端です。

諸説ありますが、万博以前より海外の美食家たちからは「どれが上質なワインかわからない」とのクレームを受けていたようです。

格付けには61銘柄選ばれ、第一級~第五級の5段階に分けらました。

(第一級は4銘柄/第二級は15銘柄/第三級は14銘柄/第四級は10銘柄/第五級は18銘柄)

※メドック格付けは不変と言われており、見直しは行われませんが1973年に歴史上唯一、シャトームートンロートシルトが第二級から第一級へ昇格しています。

 

5大シャトー PREMIERS GRAND CRUS CLASSES

  1. シャトー・マルゴー Château Margaux 
  2. シャトー・ラフィット・ロートシルト Chateau Lafite-Rothschild 
  3. シャトー・ラトゥール Chateau Latour 
  4. シャトー・ムートン・ロートシルト Château Mouton Rothschild 
  5. シャトー・オー・ブリオン Chateau Haut Brion

 

シャトー・マルゴー Château Margaux

フランスワインの女王と呼ばれる、最も女性的とされるワイン

ヘミングウェイがこよなく愛したワインは華やかな香り、なめらかなタンニン、バランスのよい味わいが特徴で寝かせるほど妖艶さを纏った輝きを見せてくれます。

「高貴でエレガンス」「ボルドーの宝石」「ベルベットの手袋の中の鋼鉄の拳」などマルゴーを形容する言葉どれも華やかさと内に秘めた力強さを表現しております。

 

シャトー・ラフィット・ロートシルト Chateau Lafite-Rothschild

5大シャトー筆頭との呼び声が高いラフィットはブドウの収穫を手摘みで行うなど、丁寧な作業でワイン造りが行われています。

繊細さとエレガントさは5大シャトー随一と評されており。ベリーやドライフルーツ、スパイスなどの香りと豊かなで濃縮感のある果実味、どっしりしたタンニンが特徴です。長期の熟成耐えうるポテンシャルはさすがの一言で年を重ねていくうちにタンニンはまろやかになり、香り高いワインに変化していきます。

 

シャトー・ラトゥール Chateau Latour

長年安定したクオリティのワインを生み出し続けているラトゥールは「晩熟で長命」がひとつの特徴です。完璧なまでの品質主義はポイヤックの巨塔と呼ばれます。

ラベルの絵柄である塔は14~15世紀の戦争中、敵や海賊から身を守るために要塞(La Tour)として建てられました。

「ラトゥールの飲み頃は20年以上熟成した後にやってくる」など屈強で筋骨隆々の男性的なイメージが先行しますが、時間とともに深く溶け合ったグラスの中の一杯にはすべてを包み込んでくれるようなやさしさすら感じられます。

 

シャトー・ムートン・ロートシルト Château Mouton Rothschild

上記にも記した通り、1973年の格付けで2級から1級に昇格した唯一無二のワイン

バロンフィリップドロートシルト男爵が残した「ついに我第一級になりぬ、かつて第二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」という言葉には男爵のムートンに対する情熱と誇りが感じられ、この姿勢こそがムートンの強さと言えると思います。

ムートンの魅力のひとつにその美しく芸術的なラベルがあります。

ダリ、シャガール、ピカソ、ウォーホールなど名だたる巨匠がそのラベルを彩ってきました。

ラベルの製作者には、その報酬としてワインで支払うという粋な計らいもとても素晴らしいですね。

 

シャトー・オー・ブリオン Chateau Haut Brion

ボルドー最古の歴史を誇り、唯一メドック地区以外から選出された(グラーブ地区)シャトー。戦争に敗れ国の崩壊の危機に追い込まれていたフランスは敗戦後の処遇を決める大事な会議(1814年ウィーン会議)で連日連夜、豪華なフランス料理とオーブリオンを振る舞いました。これにより各国の代表者たちも態度を軟化させ、多くの領土を失わずに済んだのでありました。

まさに俎板の鯉でありながら、ここまでの成果を勝ち取った料理とワインはフランスの救世主と呼ばれるだけの価値があるでしょう。

 

現状フランスでは若者のワイン離れが深刻化しているようですが、フランスワインはフランスを語る上では切っても切れない関係にあり、5大シャトーはその中核を成すシンボルのようなものでもあります。流通価格は数万円から優れたビンテージになりますと十数万円以上になりますので高価な価格帯にはなりますが人生経験としてはとても大きなものになると思います。

5大シャトーまでの基準に届かなかったセカンドやサードワインもありますのでお手軽に楽しんで見たい方は是非飲んでみたいシャトーのセカンドやサードを購入してみてください。早飲みで個性が引き継がれたパワフルなワインに出会えるかもしれませんよ。

クリスマスの夜はエレガントで重厚感のある赤ワインを片手に素敵な一夜をお過ごしください。

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