食材の保存は冷蔵?冷凍?それぞれの温度帯や適した食材の特徴をご紹介!

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普段何気なく使用している冷蔵庫。
食材を保存する上では欠かせない冷蔵庫ですが、実は食材にはそれぞれに保存に適した温度がございます。

今回はそんな食材の保存方法を温度帯(冷蔵・冷凍・チルド)に分けてご紹介!

食材を長く美味しく食べられるように、それぞれに適した保存方法を身につけましょう!

3つの温度の使い分け方

そもそも食材を低温で保存する理由、それは細菌の活動を抑制し腐敗をはじめとする品質の劣化を防ぐためです。
細菌は10℃以下になると増殖が遅くなり、マイナス15℃以下で活動を停止します。
そのため冷蔵庫内は機能に応じて異なる温度が設定されており、必要に応じた使い分けが重要になるのです。

ここでは食材や用途に合わせた3つの温度帯をご紹介いたします。

 

・冷蔵:2~7℃

食品が凍らない程度の低温で保存します。
飲料など凍らせずに保存したいもの、短期間のみ保存しすぐに消費するものに適しています。
また、ドアポケットや上段下段、野菜室などでも温度や湿度にはやや差が生じます。
一般的な冷蔵庫の場合、温度は下段が最も低くなり、野菜室は湿度があまり下がらないように設定されていることが多いようです。
【適した食材:野菜、飲料、調理済みの食材、調味料、卵など】

・チルド:0℃前後

食材が凍るか凍らないかギリギリの温度帯で保存します。
菌の活動を抑制し、冷蔵よりも長期間の保存が可能です。
生鮮食品の保存、凍結は避けたい食品や発酵が進みやすい食品の保存に適しています。
お肉においては柔らかく、旨みを増幅させるための熟成にも適しているとされています。
【適した食材:生鮮食品(肉、魚など)の短期保存、発酵食品、乳製品など】

・冷凍:マイナス18℃以下

冷凍で保存した場合、基本的に細菌は活動を完全に停止し増殖しなくなります。
そのため食材を最も長期間保存することが可能になります。
ただし、冷凍・解凍の際に食材の品質が劣化しないように注意が必要になります。
【適した食材:生鮮食品(肉、魚など)の長期保存、冷凍食品、アイスクリーム類など】

この他にもパーシャル室、急冷室、野菜室など、冷蔵庫の機能により細かな温度帯での保管が可能です。
また、こうして分類すると特に肉類は冷蔵保存に適さない事がお分かりいただけるかと思います。
購入した際はすぐに使用するか、保存する場合もチルドやパーシャル室を積極的に活用するようにしましょう。

『パーシャル』と『チルド』の違いとは
パーシャルとは“パーシャルフリージング”の略称です。
チルドは食材が凍るか凍らないかの温度帯(約0℃)であるのに対し、パーシャルは食材を完全には凍結せず表面~内部まで微妙に凍結させた状態で保存可能な温度帯(-3℃)です。
完全には凍結しないため解凍の手間がなく、冷蔵やチルドと比較しても比較的長く品質を保つことが出来ます。
「凍結を避けたい食材はチルドで」「肉や魚などの食材はパーシャルで」など食材や用途に合わせた使い分けができると良いですね。

冷凍保存に適した食材の特徴

前述の通り、食材は冷凍・凍結することで長期間の保存が可能になります。
しかし、食材の特性を考えずに冷凍してしまうと品質を大きく損なう可能性があるため注意が必要です。

組織のしっかりした新鮮な生のお肉や魚介類は、冷凍に適しています。
漁船の上や食肉センターで加工・急速冷凍されたものも多く市場に流通しており、冷凍保存への適正の高さがうかがえます。
また、加熱済の食材は既に組織が壊れているため、煮込み料理やスープなども冷凍保存に適していると言えます。
食品に含まれる水分が少なめの食材もおすすめです。
冷凍する際、塩漬けなどの下ごしらえをしておくと余分な水分が抜け、風味が損なわれにくくなります。

なお野菜は水分を多く含むため冷凍には適しませんが、キノコ類や下茹でした根菜類、ペーストやピューレなど加工済みのものなどであれば冷凍保存が可能です。

解凍時に生じる『ドリップ』とは

一度冷凍したお肉や魚を解凍すると、赤い血のような液体が滲み出てきます。
この液体こそが『ドリップ』です。

一見すると血のようですが、その正体は細胞・組織が壊れることによって流れ出た『組織液』なのだそう。
このドリップには様々な栄養素が含まれており、『ドリップ』が流れ出た分だけ食材から栄養が損なわれたと言えます。
また、肉や魚に含まれる水分量も減ってしまうため、食べた時の食感もジューシーさがなくなりパサパサとした物になってしまいます。

そのため、冷凍した食材を使用する際にはなるべく『ドリップ』を出さないように工夫することが大切です。
加熱して使用するのであれば、半解凍の状態で火を通すことで『ドリップ』が出ることを防ぐことが出来ます。
また、なるべく低温で解凍することで、食材の温度にムラが少なくなりドリップを抑えて鮮度を保ったまま解凍することが出来ます。

業務用などで用いられる『急速冷凍』も食材をムラなく一気に低温にするため、解凍時の『ドリップ』を抑えることが出来ます。
家庭用の冷蔵庫の場合でも、冷蔵室である程度冷やしてから冷凍したり、冷蔵庫によっては急速冷凍機能を使用したりすることで鮮度を保つことが出来ます。

冷蔵庫の正しい温度設定とは

冷蔵庫よっては温度調節のツマミに【弱・中・強(冬季)】というような表記がございます。
この表記を見ると、「外気温の低い冬に冷却機能を強めなければならないのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実はこの設定は単純な温度の強弱ではないのだそう。

これには冷蔵庫の構造が関係しています。
外気温が低くなる冬は多少の扉の開け閉めでは庫内の温度はあまり下がらないため、冷却器が冷蔵室を冷却する頻度は減少します。
この冷却器は基本的に冷凍室とも連動しているため、冷却の頻度が足りないと冷凍室の温度が下がりきらず、逆に上がってしまう場合も…
そのため設定を【強(冬季)】へ切り替えることで冷凍庫へ送られる冷気を強くし、しっかりと温度が下がるようにする必要があるのです。


※冷凍庫の機種や機能、使用環境により表記や適した設定方法は異なる場合がございます。

まとめ

食材を保存する際、冷蔵庫を上手に活用することでより長く、より美味しく食べることができます。
また、保存していた場所を少し見直すだけでグッと長持ちするようになる、なんて事も考えられます。

食材の特性を理解し、それぞれに適した方法で保存できるようになりましょう!

 

 

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