秋の風物詩『紅葉(もみじ)』 実は食べられるって本当?色が変化する仕組みについても解説!

季節のイベント, 料理

新緑が芽吹く季節も過ぎ、次第に黄色や朱色、紅色へと色づく野山、まさに秋の情景ですね。
紅葉狩りを予定している方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

今回はそんな秋の代名詞とも言える『紅葉』について解説していきたいと思います。

紅葉(こうよう)と紅葉(もみじ)の違いとは?

「紅葉(こうよう)」は、秋に寒暖差が激しくなることで起きる、葉の色が赤や黄色に変わる自然現象を指します。
また、秋に色が変わる様々な植物に対して当てはまる言葉として使われるため、植物の種類によっては黄葉(こうよう)と表記することが正しい場合もあるそうです。

紅葉と書いて「もみじ」と読む場合は、もみじの木や葉そのものを指しています。
「紅葉(もみじ)」は、紅葉(こうよう)の中でひときわ紅色が目立つカエデの仲間を総称して指します
葉の切れ込みが深く、掌手の平を広げたような形状をしているものを「もみじ」と呼びます。

「もみじ」という名称は、古語の動詞「もみず」に由来していると言われており、「もみず」は「草木の葉が赤や黄に色づく」という意味で「揉み出づ(もみいづ)」という動詞が省略されたものだと考えられています。

「紅葉(もみじ)」と「楓(かえで)」の関係性

「紅葉」と「楓」はよく似た見た目をしており、植物学上は両方カエデ科の同系統の植物として分類されます。
日本では一般的に葉の大きさや色、切れ込みの深さなどで区別されています。

『楓』… 比較的大きな葉を持ち、切れ込みが浅いもの
『紅葉』… 葉が小さめで、深い切れ込みがあるもの

また、盆栽の世界でも、イロハモミジのように葉の切れ込みが深いタイプを「紅葉」、ハウチワカエデのように切れ込みの浅いタイプを「楓」と呼んで区別しているそうです。


ちなみに、楓は葉の形が蛙の手によく似ていることから「かえるで(蛙手)」が訛って定着した名称だと言われています。

紅葉(こうよう)はどのようにして起こるのか

植物の葉には光合成を行うために必要な『光合成色素』を含んでいます。
クロロフィル(緑色)やカロテノイド(黄色など)といった色素のうち、通常時はクロロフィルが多量に含まれていることから、葉は緑色に見えています。

しかし、気温が下がってくると光合成の効率が低下し、葉を維持するための養分と光合成によって得られる養分のバランスに逆転現象が生じるようになります。
そのため植物は葉を落とし、エネルギー消費の少ない状態に移行するのです。

その際、葉に含まれる栄養素を幹や枝に回収します。
この過程において、クロロフィルが分解されることで元あった緑色が薄れて黄色が目立つようになり、種によってはアントシアニン(赤色)やフロバフェン(茶色)が生成され、色素量のバランスが変化することで葉の色が変化します

ちなみにアントシアニンの生成には日光が必要なため、紅葉する前の葉を一部分だけ隠すことで色の変化に差をつける、なんてこともできるのだそうです。

紅葉狩り(もみじがり)とは

紅葉狩りとは、「美しい紅葉を眺めて楽しむこと」を指します。

○○狩りと言うと、潮干狩りやきのこ狩り、いちご狩りなど、食べ物を採って獲って食べるようなイメージを連想してしまいますが、見て楽しむだけの「紅葉狩り」はなぜ狩りと呼ばれるのでしょう。

それは「狩り」という言葉が「野山に入り季節の恵みを探し求めること」を広く指し示す言葉だからなのだとか。
紅葉を楽しむ風習については、古いものだと万葉集にも記されていると言われており、当時は紅葉を楽しむために野山へ入っていく必要があったため、まさに「狩り」という言葉に相応しい行事だったのかもしれませんね。

現代では日本各地に紅葉の名所があり、野山へ出かけなくても美しい紅葉を楽しむことができます

神社や寺院、庭園や自然公園など、すみずみまで手入れされた空間に鮮やかに色づいた紅葉が調和する姿は日本の秋を感じさせます。
夜間にはライトアップなどが行われることもあり、昼間とは違った幻想的な景観もまた魅力的です

また、紅葉のシーズンは気候的にも体を動かすのに向いているため、登山やトレッキングで野山に自生する紅葉を見に行く、いわば本来の紅葉狩りを楽しむのも良いかもしれません。

紅葉は実は食べられる?『もみじの天ぷら』

もみじの天ぷらは大阪府箕面市に伝わる伝統的な銘菓です。
天ぷらと聞くと食卓に並ぶ料理を思い浮かべてしまいますが、もみじの天ぷらは甘みのある衣にパリパリとした食感が特徴で、お菓子として古くから慕われているそう。

その歴史はおよそ1300年前から続いており、修験道場であった箕面山で修行していた役行者が滝に映えるもみじの美しさを称え、灯明の油でもみじの天ぷらを作り、それを旅人に振舞ったのが始まりだと言い伝えられています。

伝統あるお菓子ということもあり、その製法も非常に手間暇がかけられています。
原料には主に一行寺楓(いちぎょうじかえで)という黄色に色づく食用の紅葉が用いられ、その葉を1年以上塩漬けにすることでアクや葉脈を取り除きます。
その後塩抜きをし、丁寧に形を整えたものに、小麦に砂糖やゴマを加えた衣をつけてじっくり時間をかけて揚げることでカラッとした仕上がりの美味しいもみじの天ぷらが出来上がるそうです。

『もみじ』に由来する食べ物

「もみじ」は古くから親しまれているだけあって、食べ物の名称でもよく見かけることがあります。
ここではその中から一部をご紹介!

・もみじ(鶏)
鶏の足の部位。
また、それを甘辛く煮た料理。
形状が紅葉に似ていることに由来しています。

・もみじ饅頭
伊藤博文が茶店の娘の手を見て、「可愛らしい紅葉のような手を食べてしまいたい」と冗談を言ったことから着想を得て生み出された、という説有力だと言われています。

・もみじ鍋
鹿肉を使用した鍋料理。
諸説ありますが、一説によると花札の絵柄にある鹿と紅葉の組み合わせが由来だと言われています。

・もみじおろし
大根と唐辛子を一緒におろしたもの。
辛みを除くために大根おろしとニンジンおろしを混ぜた場合もあります。
赤色のから紅葉が連想されることが由来しています。

・もみじ和え
赤みのある和え物で、色から紅葉が連想されることが由来しています。

終わりに

いかがでしたか?
日本の秋には欠かせない存在である「紅葉」について紹介させていただきました。

都内にも紅葉が楽しめる場所は多くあり、11月中旬から12月上旬が紅葉の見頃と言われています。
気になるスポットを見つけて、週末は紅葉狩りに出かけてみるのはいかがでしょうか?

街の喧騒を離れて、自然がもたらす美しい風景を探しに行くのも良いかもしれませんね。

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