WAGYU part.Ⅰ~高級食材『和牛』とは~

料理

みんな大好きな牛肉、お肉と言ったら牛肉と答える方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな牛肉について、知っていればもっと美味しく・楽しくなるなるようなお話ができればと思います。

国産牛と和牛の違いとは

日本国内で流通している牛肉は、大きく分けると『輸入牛』と『国産牛』、そして『和牛』とに分けられます。
「国産の牛なのだから和牛なのではないか」と勘違いされがちなのですが、実は明確に異なりそれぞれ定義が異なります。

『国産牛』とは日本国内で生産された牛のうち、肥育期間の内最も長い期間が国内であるものを指します。
そのため海外の品種や交雑種などであっても、国内で一定の期間を肥育された場合は国産牛になり、それ以外の場合が『輸入牛』ということになります。

対して『和牛』は、食用牛として日本で品種改良を重ねた固有の品種であり、黒毛和種、日本短角和種、褐色和種、無角和種の4品種とそれらの交配種のことのみを指しています。

4種の和牛、それぞれの特徴

前述の通り和牛には4品種が存在しますが、流通している和牛のほとんどは黒毛和種になります。
なお、流通全体の割合としては『輸入牛』が最も多く60%以上を占めており、和牛は17%ほどです。

日本短角和種、褐色和種、無角和種は和牛の中でもさらに希少です、和牛はその希少性からも高い価値がついているとも言えるでしょう。
では、それぞれの和牛がもつ特徴についても確認してみます。

【黒毛和種】

言わずと知れた高級牛肉の代名詞的存在。
全国の和牛の約98%を黒毛和種が占めており、その特徴は黒毛の単色で角・ひずめなどもすべて黒いこと。
きめの細かいサシ(霜降り)が入り、非常に柔らかな肉質を持ちます。
口にした際の食感がまるで溶けるかのようであり、その見た目の美しさからも国内外問わず大変人気の牛肉です。

もともと中国地方などで古くから飼育されていた在来種に外国の品種をかけ合わせて改良していき、1944年頃に品種が今の形に固定したとされています。
日本全土の様々な地域で飼養されており、地域ごとの特色などから 松阪牛・神戸牛・米沢牛・近江牛・薩摩牛など数々の有名銘柄牛も誕生しています。

【日本短角和種】

北東北及び北海道を中心に飼養されており、そのうちおよそ4割が岩手県で飼養されているといわれています。
そのルーツは旧南部藩時代に飼養されていた日本在来種の南部牛。
この南部牛に、アメリカから輸入したショートホーン種などを掛け合わせて改良し、昭和32年に日本短角種として登録されました。

日本短角種は低脂肪で旨味の基となるアミノ酸をたっぷり含む赤身が特徴の牛肉です。
これまで市場では、サシが入っている牛肉が高い評価を受けていましたが、近年は健康志向や安全・安心を求める消費者の強いニーズにより赤身肉が注目され、日本短角種への関心も高まっています。

【褐色和種】

体毛が褐色を帯びた角のある牛の総称(別名:あか牛)。
主には熊本県、高知県、北海道などで飼養されており、特に熊本県は飼養頭数の約70%を占めるそうです。

やわらかい褐色の外見はとても愛嬌があり、熊本県では阿蘇の草原などで牛たちの放牧を見ることができます。
のんびり歩き回ったり草を食べたりする牧歌的な光景は観光客にもとても人気なのだそう。
肉質としては、程よいサシ(霜降り)と赤身肉の深い味わいの両方が楽しめると近年ジワジワと人気が出てきている品種です。

【無角和種】

無角和種は名前の通り角のない和牛。
飼養頭数が少なく一般的な市場に流通する事も少ないため、最も希少な和牛ともいわれており、阿武町を主として山口県のみで約200頭が飼養されています。

赤身が自慢の肉質で、霜降りになりにくい特徴を持ちます。
最近では日本固有の種を絶やさないようにと守りながらも、希少性やヘルシーな肉質など様々な付加価値が再認識されつつあります。

では『交雑種』とは?

異なる品種の牛同士を掛け合わせたもの全体を指します。
代表的なものとして、和牛とホルスタインを掛け合わせた交雑種『F1』などが挙げられます。
(『F1』とは…「first filial generation」の略)

“F”は英語のfilialの頭文字で遺伝学では“交雑世代の”という意味で使われています。
“1(first)”は世代を示しており、要約すると『品種の異なる親を交配した場合の最初の世代(交雑第1世代)』という意味になります。

『F1』は2世代目以降と比べ親の性質を受け継ぎやすく、和牛のもつ肉質の良さと、ホルスタイン等がもつ成長の速さや免疫力の高さを兼ね備えた品種になる可能性が高くなります。

そのため市場価値についても比較的高く評価される傾向にあり、2世代以降の交配を重ねた場合は『F1』とは呼ばず、国産牛とのみ表示されます。
また、その他にも交雑牛にはメリットがあり、生産コストが抑えられる点や、生産量の落ちた乳用牛を再度活用する手段になる点、和牛の方が乳用牛より小柄であることから母体への負担が少ない点などが挙げられます。

なお、和牛同士を掛け合わせたものは和牛間交雑種と呼び、交雑種ですが和牛に該当します。

~ひとくちコラム『経産牛』~
スーパーやお肉屋さんで、和牛や国産牛と並んで『経産牛』という表示を目にしたことはあるでしょうか。
『経産牛』とは出産の経験がある雌牛のこと。
牛肉の生産過程においては繁殖用と食肉用とで飼育体制が異なる場合が多く、そのため『経産牛』は霜降り牛と比べて肉質が劣るとされ敬遠されてきました。
しかし近年では、繁殖の役目を終えてから食用牛として一定の肥育期間を設けることで、旨味が凝縮された味わい深い赤身牛肉に仕上がるとして差別化が進み、健康志向の流行などからも注目を集めています。
価格の面において、銘柄牛やその他の国産牛と比較してもリーズナブルであることも『経産牛』の強みの一つと言えるでしょう。

まとめ

今回は和牛種類や国産牛との違いについて、焦点当てて解説させていただきました。
知っておくと、お肉選びの際に役立つ場面があるかもしれませんね。

コルドンブルーでは牛肉を扱ったメニューも多数ご用意!
大人気メニュー「黒毛和種ローストビーフ」もその一つです。

Menuはこちら

パーティーをお考えの際はぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

『食 × コト』

TEAM CORDON BLEU は料理を届けるだけでなく、会食を成功に導くためにサポートいたします

コルドンブルーケータリングの特徴を見る
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事一覧