WAGYU part.Ⅱ~牛の格付け、美味しい牛肉とは~

料理, 料理・飲物

みんな大好きな牛肉、中でも脂ののった霜降り牛はとろけるような食感で大変人気ですよね。
前回は牛の種類やその特徴について解説させていただきました。
>前回の記事はこちら

今回は牛肉が流通する際に行われる“格付け”について解説してみたいと思います。

牛肉の格付けとは

デパートや焼肉店などで『A5ランク黒毛和牛』のような表記を目にしたことはございませんか?

牛肉のランクは、A~Cのアルファベットで表す「歩留等級」と、1~5の数字で表す「肉質等級」との組み合わせによって表記されます。
15通りの組み合わせの中で、最も等級が高いものは「歩留等級」ではA、「肉質等級」では5になります。
『A5ランク』とは、すなわち最高級の牛肉であることの証明なのです。

肉質等級とは

牛肉の格付けは『食肉格付員』によって行われます。
枝肉の断面(バラ肉から背ロースにかけての部位)を、直に目で見て確認し等級が決められます。
(1)脂肪交雑(サシ)
(2)脂肪の色沢と質
(3)肉の色沢
(4)肉の締まり及びきめ
4つの項目を5段階で評価して、4つの項目の中で、最も低い等級が肉質等級として判定されます

年間約90万頭の牛が格付されますが、その20%弱が最高ランクの「A5」に格付されるそうです。

牛脂肪交雑基準『BMS(Beef Marbling Standard)』

『ビーフ・マーブリング・スタンダード』の略。
霜降り等級とも呼ばれ、肉の赤身に対してどれだけサシ(霜降り)が入っているのかの基準になります。
No.1~12の12段階で以下のように評価されます。

BMS『No.12~8』は肉質等級『5』
BMS『No.7~5』は肉質等級『4』
BMS『No.4~3』は肉質等級『3』
BMS『No.2』は肉質等級『2』
BMS『No.1』は肉質等級『1』

 牛脂肪色基準『BFS(Beef Fat Standard)』

『ビーフ・ファット・スタンダード』の略で、脂肪の色を評価する項目。
No.1~7の間で評価され、No.1から順に高い評価になります。
BFS『No.1~4』は肉質等級『5』
BFS『No.1~5』は肉質等級『4』
BFS『No.1~6』は肉質等級『3』
BFS『No.1~7』は肉質等級『2』
上記に該当しないものは肉質等級『1』

牛肉色基準『BCS(Beef color Standard)』

『ビーフ・カラー・スタンダード』の略で、牛肉の色沢を評価する項目。
No.1~7の7段階で評価され、No.3~5の評価が最も高くなります。
BCS『No.3~5』は肉質等級『5』
BCS『No.2~6』は肉質等級『4』
BCS『No.1~6』は肉質等級『3』
BCS『No.1~7』は肉質等級『2』
上記に該当しないものは肉質等級『1』

肉の締まり、きめ

機械での判定が困難なため、肉眼と触感で判定されます。
締まりは筋肉の保水力、きめはロース芯の断面から確認し、『食肉格付員』により5段階に評価されます。

歩留等級とは

枝肉重量に占める部分肉重量がどれくらいあるのかを評価する項目です。
各部位の厚みや大きさ、枝肉から確認できるバラやロースの断面積などの要素から判定されます。

A 部分肉歩留が標準より良いもの
B 部分肉歩留の標準のもの
C 部分肉歩留が標準より劣るもの

 

『A5ランク』は、美味しい牛肉?

ここまで牛肉の格付けについて解説をさせていただきましたが、実は格付けの中に「味」に関する項目というものはございません
ほとんどが見た目から判断する項目であり、評価が高いからといって美味しいお肉であるというわけではないのです。

では、なぜA5ランクが高く評価され、美味しい牛肉であるとされているのか。
それは、きめ細かく霜降りの入った柔らかいお肉が美味しいとされ、多くの消費者から求められるという市場の傾向、需要が主な理由です。
なお、近年では赤身肉の人気から、3~4等級の牛肉の需要も高まっているそうです。

美味しさというのは消費者個人の嗜好にも大きく左右されるものです。
そのため格付けはあくまで一つの指標であり、ランクの高い牛肉=美味しい牛肉、というわけではないことはおさえておきましょう。

『熟成』(エイジング)とは

『熟成』も牛肉の美味しさを左右する大きな要素の一つです。
肉は『熟成』という過程を経ることで軟らかくなり、より一層独特の風味が出てきます。
また、酵素の働きによりタンパク質が分解され旨味成分(アミノ酸)へと変化し、よりおいしいお肉になります。

『熟成』には主に2つの技法があります。

『ドライエイジング』

チルド状態(0~1℃)の冷蔵庫内で、冷風を循環させながらお肉の表面を乾燥させ熟成する技法。
歯ごたえのある赤身肉などを熟成することで、やわらかくナッツのような香ばしい香りのお肉に仕上がると言われています。

和牛の霜降り肉は、脂肪が多いのであまりドライエイジングには適さないと言われていますが、
和牛でも脂の少ない赤身肉や肉質の固い部位、経産牛(出産の経験のある牛)などには効果的で、評価が見直されつつあります。

『ウエットエイジング』

元来はお肉を輸送する際に劣化・乾燥を防ぐための保存方法。
布で巻いたり真空パックするなどの状態で肉を数日寝かせると肉質がやわらかくなり、うま味が増すことから、ウエットエイジングと呼ばれるようになった。

しかしながら、本来の目的が保存であるため、ほかのエイジング技法に比べると旨味や香り(熟成香)は劣ります。
また、経験や知識がないと、熟成と劣化の区別がつきにくい点も注意が必要です。

~ひとくちコラム~
『枯らし熟成』
日本の伝統的な肉の熟成方法 “枯らし熟成” 。
牛肉の半身(枝肉)をすぐに解体せず一定の温度・湿度の冷蔵庫に入れ、熟成を助ける菌が滞留する状態で4週間前後保管する技法。
ただ吊して冷蔵保管する(枯らす)この技法は、程よく水分が抜け旨みが増し、和牛の至福香とも言われる“和牛香”がさらに芳醇なものになると言われています。
近年では手間の割に利益率が悪く、また真空パックの普及による流通の安定などから枯らし熟成はほとんど行われなくなり、
今では希少な技法となっています。

まとめ

今回は牛肉の格付けについて、焦点当てて解説させていただきました。
A5ランクの牛肉がなぜ高級食材なのか、皆様にもご納得いただけたことでしょう。

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大人気メニュー「黒毛和種ローストビーフ」もその一つです。

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