今さら聞けない!懇親会と親睦会の違い

懇親会, 親睦会

今さら聞けない!「懇親会」と「親睦会」の違い

「懇親会」と「親睦会」、ついつい混同しがちな二つですがどのような違いがあるのかご存知でしょうか?
今回はこの二つの違いについて解説していきたいと思います。

「懇親会」と「親睦会」の一般的な意味

「懇親」も「親睦」もどちらも親しくすることや仲良くすることを意味する言葉です。
そのため「懇親会」や「親睦会」は、どちらも人と人との関係を深めるために開催される集まりということになります。
ですが厳密には異なる使われ方をしています。

まずは一般的な意味合いから確認してみましょう。

「親睦会」
同じ組織や集団において、親交を深めるために開催されることが一般的。
見知った者同士の飲み会や二次会、花見などイベントの要素を含むことも多い。

「懇親会」
組織間や企業間において、交流の場として開催されることが一般的。
異なる組織の者同士が情報交換の場とする意味合いも大きく、紙の文書で案内が行われることが多い。

どちらの会も「親しくする」という目的や意味は同じだと思われますが、やはり細かな意味合いは違うようです。
ではこの違いは何なのか、文字の成り立ちから読み解いてみたいと思います。

文字の成り立ちから考える「懇親会」「親睦会」

「懇親」「親睦」

どちらにも「親」という漢字が含まれており、これは共通して「親しい様子」を意味しています。
では共通していない方の漢字、「懇」と「睦」はどうでしょうか。

・懇[音]コン(漢) [訓]ねんごろ
真心がこもること。ねんごろ。
【成り立ち】
会意兼形声文字(貇+心)で、「獣が背を丸くして獲物に襲いかかろうとする象形+人の目を強調した象形(とどまるの意味)」(”貇”でふみとどまるの意味)と「心臓の象形」を組み合わせて、一定の範囲内に心をふみとどめておく事を意味しており、そこから「懇」(ねんごろ[心がこもっているさま])という漢字が成り立ったとされています。

・睦[音]ボク(漢) [訓]むつむ むつぶ むつまじい
人々が仲よく寄り合う。仲よくする。
【成り立ち】
「目」は目、「坴」は寄せ集まるの意味で、組み合わせて「目が寄せ集まる」の意味から、転じて「親しくする」という意味を持った「睦」という感じが成り立ったとされています。

違った意味が見えてきましたね。
それぞれの成り立ちを紐解いてから考えてみると以下のように考えられます。

「懇親会」→「(懇)真心をこめて (親)したしくするための(会)会」
「親睦会」→「(親)したしい者同士が (睦)したしく寄り集まる(会)会」

「懇親会」と「親睦会」

文字の成り立ちやこれまでの解説を踏まえると、言葉の持つ本当の意味が見えてきたのではないでしょうか?

「懇親会」とは真心をこめて親交を深める間柄の人間を招いて行う、対外的な意味を持つ会であり、
対して「親睦会」とは見知った者同士が更に親交を深めるため行う、対内的な意味を持つ会ということになりますね。

どちらも交流の場であることに違いはありませんが、このように言葉が変わると趣旨や目的には様々な違いが生まれます。

また、よく似たものに「懇談会」というものがありますが、上記の成り立ちを踏まえるとより話すことに特化した会だと考えることができます。
「懇親会」と比較しても公的な要素を含む場合が多く、勉強会のようなものや、議題に沿って話し合うことを主目的とする会であることがほとんどです。
学校と保護者による懇談会や、国や行政・市民間での懇談会、近しい境遇の人同士がテーマに基づき集まる懇談会、などが挙げられます。

「懇親会」「親睦会」開催のメリットについて

交流の場である「懇親会」や「親睦会」は参加者にとって具体的にはどのようなメリットがあるのか考えてみたいと思います。

・他業種や、普段接点のない部署間での情報交換により、新たなアイデアの発見やモチベーション向上に繋がる。
・会食やレクリエーションを通じて参加者同士のコミュニケーションが深まる。
・イベントを共有する事で組織のチームワークや結束力の向上につながる。
・仕事とは全く異なる体験によってリフレッシュ効果が期待できる。
・参加者に対しての労いや感謝など、会の趣旨に応じた様々な想いを伝えることができる。

以上のようなメリットが考えられますね。

もちろん開催する立場の場合、考えなければならないのはメリットばかりではありません。
開催には規模に応じた準備が必要ですし、参加者のスケジュール調整や開催場所の選定など様々な課題があります。
「懇親会」や「親睦会」を考える際は、メリットとデメリットをしっかりと理解することも大切です。

 

まとめ

いかがでしたか?
「懇親会」と「親睦会」、混同しがちな二つですが言葉の成り立ちから理解するとうやむやになることが避けられそうですね。

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