日本における『上座・下座』とは

マナー

日本独自の文化?さまざまなビジネスシーンで遭遇する上座・下座とは

日本と諸外国では、席次(上座・下座)の考え方に大きな違いがあります。                                    西洋を中心とする海外のビジネスでは厳格な上下関係よりも効率性やレディーファーストが優先されますが、                     座る位置や立つ場所によって、相手に対する敬意やもてなしの心を表す「上座・下座」は、日本独自の文化と言われています。
また、日本における日常的なビジネスシーンで「どちらが上座?」と迷ってしまうシチュエーションも少なくありません。

上座・下座の起源は?

席次の起源は、単なるマナーではなく、身分秩序と安全確保にあります。
日本の「上座・下座」の考え方は、主に室町時代から発達した武家社会の作法に由来するとされています。
諸説ありますが、日本家屋の「床の間」が関係していると言われており、床の間は床より一段高く、もともとは仏具や仏画をかける神聖な場所でした。
そのため部屋の一番奥に造られ、自ずと客人や身分の一番高い人がその近くに座っていたようです。                         また、武家社会では部屋の出入口に近い場所は侵入者の危険があるため、身分の高い人は入口から遠い場所に座りました。               逆に家臣や従者は入口近くに座り、警護や対応を担いました。 
現在の「入口から遠い席が上座」という考え方はここから来ています。

ビジネスシーンにおける上座・下座の大原則

お客様や目上の人が上座、もてなす側が下座に加え、
①役職
②社歴
③年齢
 …の順に優先順位が高くなっています。

なお、自分が「お客様」の立場の場合、招いた側に勧められた席に着くようにしましょう。                             自分の方が役職が下だから、年齢が若いからと勧められた席を断り、わざわざ下座に座るのはかえって失礼になってしまいます。
招いた側の「相手にとって最も居心地の良い席を用意する」というおもてなしの精神にお応えしましょう。                      ちなみに、立食パーティーなど複数の人が立って集まる場所においても考え方は同じで、入り口から遠いか近いかで上座/下座を判断します。

シチュエーション別、上座・下座

■個室(応接室/会議室)の上座/下座(席次)

一般的な洋室であれば基本的な席次の考え方の通り、部屋への出入口から一番遠い席が上座、入口に近い席が下座になります。

■スクリーンやホワイトボードがある場合の上座/下座(席次)

スクリーンやホワイトボードが見やすい場所が上座です。                                            そのため、例外的にスクリーンやホワイトボードの正面であれば、入口の近くであっても上座になります。

■テーブルがコの字の上座/下座(席次)

テーブルがコの字型に配置されている場合、入口から一番遠く、全体が見渡せる位置が上座です。                           議長や進行役がいる場合は、入口から遠い議長/進行役の隣が上座となります。

■向かい合うソファの数が違う上座/下座(席次)

応接室など椅子の配置が向かい合わせで2:3などの場合も、入口からより遠い奥の位が上座です。                          長椅子と一人掛けソファがある場合は長椅子のほうが良い席とされています。

■丸テーブルの上座/下座(席次)

入口から最も遠い正面の席が上座、近い場所が下座という基本は同じです。                                     2番目以降は、上座を挟んで入り口から遠いほうから、左右交互に席次が下がります。


■エレベーターの上座/下座(席次)

エレベーターも基本的な考え方は個室と同じく、出入口から遠い奥が上座、出入口に最も近い操作盤の前が下座です。                 エレベーターの場合、入り口が正面にあるので「奥の右と左、どちらが上座?」と迷ってしまうかもしれませんが、                    入口から向かって左奥が上座と覚えておきましょう。

なお、エレベーターの操作盤を押す場合、上座に自分のお尻を向けてしまわないよう、壁に背中を向けて操作盤に触れるようにするといいそうです。

コラム
上座・下座は時代遅れ?
意識調査によると、上座・下座のルールを「不要」と考える人は若手・ベテラン問わず多いものの、                        「必要だと思う」層は40代以上のベテラン世代に多く、若年層との間に明確な温度差があります。
確かに昨今のリモートワークやオンライン会議においては上座・下座を気にするよりも                            音声の聞き取りやすさやスムーズな進行が優先されることが基本的ですよね。

「完全な廃止」ではなく「アップデート」へ

単なる形式主義として嫌悪される一方で、ビジネス上の円滑な進行にはルールが必要とされることも事実です。
そのため、内輪の会議やカジュアルな商談では省略し、重要なクライアントをもてなす際はきちんとするなど、                    シーンに合わせて使い分けるのが現代的だそうです。

懇親会等のパーティーにおける席次

広い宴会場にたくさんのテーブルが並ぶ「パーティー」にも席次はあります。                                   宴会場にステージがあれば、最上位の上座はステージの近く、下座は下座に順ずる位置になります。                         また、日本では伝統的に「左上位」のしきたりがある一方、西洋では「右上位」となっており、
現在の日本においては「右上位」「左上位」が混在している形になっていますが、
基本的に日本の伝統的な式典等では「左上位」、国際的な祭典やMICEの場面においては「右上位」になることが多くなっています。                                                                        (ステージ側からみると左右逆になる)

 

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まとめ

冒頭でも触れたとおり、上座/下座という席次に関するマナーは諸外国によって異なる思想や歴史背景があります。
しかしながら、「他者との人間関係をより良くするためのコミュニケーションツール」であることは世界共通です。 
あらゆる場面、場所において基本を理解し、臨機応変に対応できるようになりたいものです。
一方で、あまり神経質になり過ぎたり、押し付けがましくなるのもスマートではありません。                            あくまでも相手を敬い思いやる気持ちを表すことが一番大切です。

 

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